炭を焼くときに出る煙を冷やすと黒い液体がとれます。
これが木酢液と呼ばれるもので、色々な化合物が200種類以上も
含まれています。
いったい木酢液とはどんなものでしょうか?


木酢液の正体

木酢液は木が燃焼するときに含まれる水蒸気を集めたもので、最初は黒い色をしています。
成分は木タール、酢酸、メタノール、アセトン、アセトアルデヒド、フェノール、etc・・・その数は200種類以上にも上ります。しかしながら木の種類がたくさんあるように、炭にする課程でその成分も均一ではなく、変化するようです。


木酢液の精製

採取したばかりの木酢液(粗木酢液という)は有害成分である木タールを多量に含んでいるためこのままでの利用はできません。
そこで、この粗木酢液を容器に入れて2〜3ヶ月放置しておきます。
すると液は3層に分離されます。上層には油層、中層は赤黒い木酢液、下層は木タールとなります。
そこでこの中層から上をポンプで抜き取るわけですが、この中にはまだタールが含まれているため木炭や活性炭などで濾過して残りのタールを取り除き完成です。

木酢液の規格

木酢液は「日本木酢液協会」で規格が定められています。
原料:広葉樹(ナラ、クヌギ、ぶブナ、カシなど)針葉樹(スギ、ヒノキ、マツなど)の丸太・割材または竹類,のこくず、樹皮、オガライトなどをいい、木質以外の異物を含まないもの。
炭窯:築よう製炭法などによる黒炭かま、白炭かまをいう。
木炭液:原料を炭化したときに発生する排煙(炭窯の場合排煙温度80〜150度)を冷却して得られる液体を貯槽に入れて少なくとも2〜3日静置すると2層、または3層に分離する。2層に分離した場合は上部の、3層に分離した場合は中層の赤褐色の水溶液を粗木酢液という。
この水溶液を3ヶ月以上静置後、、吸着、濾過などの脱タール処理を経て得られる赤褐色透明の液体が木酢液である。



木酢液の利用

木酢液には木を熱分解してできた水が含まれます。この水は「反応水」といい、水の分子集団が5〜6分子でつくられており小さく、生物組織に浸透する能力が高い。
さらに水の分子を小さくする機能を持っているため、1000倍から200倍の溶液にし、農作物の葉面に散布すると植物体に吸収されます。
土壌に散布すると有用な菌の増殖を助け植物の生長を助ける。また、葉面に散布すると病害虫の防除ができます。
農薬とは違い天然成分の木酢液は安全に有害なバクテリアや細菌の増殖を押さえることができるのです。
変わった使い方としては浴槽の中に2〜3滴入れても良いようです。

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