それでは、最も簡単な伏せ焼きに挑戦してみましょう。
【材料】
煙   突:直径12cm、高さ1mのステンレス製の筒  (なければ竹筒でもOK)/1本
円   筒:竹の節を抜いたもの4m程度/1本   耐火煉瓦:10個程度(無くても良い)
トタン板 :1枚

【道具】
鋸、ナタ、手袋、バケツ、温度計、スコップ
●材料の確保

こでは本格的な炭のできる方法で最も簡単な「伏せ焼き」を紹介します。
まず、材料となる木材を集めます。
いい炭になる樹木はクヌギ、コナラ、 ウバメガシなどです。
近くに雑木林があれば、所有者の方の了解を得て伐採します。
無断では切らないようにね。
山に行けば、伐採して放置している、スギやヒノキがありますのでこれをわけ てもらう手もあります。

 
●材料の調整

材料を手に入れたら次は窯の大きさに合うように切断します。
今回の場合は窯の横幅が1mなので少し余裕をみて60cmくらいに切りそろ えます。
最近話題の竹炭も同様の方法で炭にすることができます。
普通の木材と違うのは、竹には節があり中には空気がはいっていることです。
節は必ず抜いておかないと、焼いてい る途中で爆発します。


 
●窯づくり

さあ、いよいよ窯を作ります。
深さ20〜30cm、幅1,長さ2mに地面を掘り下げます。
このとき風の方向をよく考えて、焚き口を風下に持ってきます。
焚き口の下はちょっと他より深く掘り下げ焚き口から多少登り勾配になるようにします。
こうすることで風の通りが良くなります。
これはひたすらスコップで掘るだけの力業ですね。


 
次に穴の底の両側に敷木を並べます。
焚き口の反対側には直径12cm、長さ1mの煙突を取り付けます。
ステンレス製のやつがホームセンターで売ってると思います。
昔懐かしい学校のストーブの煙突です。
煙突も周りに小石をおいて煙突が倒れないようにします。焚き口には耐火煉瓦を積みます。耐火煉瓦がなければブロックで代用します。

 
●材料伏せ込み
 
次に材料を並べていきます。
太い木はあらかじめ半分に割っておきます。下には細くて炭化しやすいものを中央部に太いもの、上はまた火が着きやすい細い材を置きます。
細いものから順に隙間なく並べていくのがポイントです。
全体で三・四段、高さ30cmまで積み重ねます。

 
●草をかぶせる

材料を並べ終えたらその上に枯れ草や枯葉、ススキ、ワラなどを隙間なくこんもり乗せて、窯全体を覆ってしまいます。
厚さは15〜20cmです。
窯の周囲や煙突の周りなどにも隙間なく入れ込んでいきます。

 

 
●最終段階

次にこの枯れ草の上にトタン板をかぶせます。
ここで注意することは、このトタン板は穴の幅より小さくないといけません。
この上から今度は土をかけていきます。
こんもりと15cm以上は覆う必要があります。
これは保温効果を高めるためで、これで窯が完成しました。
次はいよいよ火入れです。
万が一に備えて水を入れたバケツを用意して、焚き口から枯れ草に火を付け、だんだん大きな火にしていきます。


 
●着 火

火が着いたら団扇で扇いで、火の勢いをさらに強くします。
このときの煙を長い竹の筒をくぐらすことで木酢液が採取できます。
節を抜いた竹を用意し煙突の煙を導きます。
竹は多少上向きに設置し、手前にたれてきた液を受け皿に集めます。
煙は最初は真っ白な水蒸気でだんだん青味を帯びてゆき、最後には無色になります。
木酢液は煙の色が白から青みがかってきた頃が採取時期です。


 
●焚き口をふさぐ
煙突から出てくる煙の温度を計り70度から75度くらいになったら焚き口を塞ぎます。
煙に手をかざしてじっとしていられないくらいの熱さが目安です。
焚き口は耐火煉瓦で塞ぎますが、もし無い場合には下から土を盛っていき、指が3本分くらいの穴を開けます。
普通の炭の場合6時間から8時間で炭化が終了するので、焚き口を全部塞ぎます。
竹炭の場合は4時間から6時間くらいで炭化が終了するでしょう。

 
●煙突を引き抜く
焚き口を塞いでから30分くらいは煙を出し続け続けます。
それから煙突を引き抜いて、開いた穴を土で塞ぎ窯が冷えるまで待ちます。
1昼夜ほどすれば大丈夫でしょう。
上の土を取り除きトタンを剥がし、炭の出来具合を確かめます。
うまくできたかな?(*_*)(^O^)(>_<)
くれぐれも火傷には気を付けましょうね。
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